エンタープライズデータウェアハウス(EDW)は、企業の顧客に関する情報などの企業のビジネスデータが格納されているリレーショナルデータウェアハウスです。EDWにより、実用的なインサイトを提供できるデータアナリティクスが実現されます。EDWは、他のすべてのデータウェアハウスと同様に、複数のソースからデータを収集して集約することで、ほとんどまたはすべての組織データのリポジトリとして機能し、広範なアクセスと分析を容易に行えるようにします。
データウェアハウスとエンタープライズデータウェアハウスの違い
EDWとデータウェアハウスの違いは意味的なものです。EDWは、企業全体のさまざまなソースに散在している組織のすべてのデータを包含し、保存するデータウェアハウスです。より小規模なデータウェアハウスは、ビジネス部門または事業部門に固有である場合があります(データマートなど)。対照的に、EDWは組織のすべてのデータの単一のリポジトリになることを意図されています。
エンタープライズデータウェアハウスの主要コンポーネント
一般的なEDWは以下のコンポーネントで構成されます。
データソース: これは、エンタープライズリソースプランニング(ERP)システム、顧客関係管理(CRM)プラットフォーム、財務アプリケーション、モノのインターネット(IoT)デバイス、モバイルおよびオンラインシステムなど、組織内のさまざまな運用およびトランザクションシステムから収集されるデータを包含します。
ステージングエリア:これは、データがEDWにロードされる前に集約、クリーニング、準備される中間スペースの役割を果たします。ステージングエリアにより、データが一貫性のある使用可能なフォーマットになっていて、さらなる処理と分析に使用できることが保証されます。
プレゼンテーションまたはアクセススペース:このコンポーネントは、ユーザーがEDWに保存されているデータにアクセスして操作するためのインターフェイスを提供します。これにより、アナリティクス、クエリの実行、レポート、データシェアリング、組織全体にわたっての効率的な意思決定と戦略的インサイトの促進が実現されます。
データツールの統合またはAPI: EDWは、多くの場合、その機能を強化するためにさまざまなデータツールおよびソフトウェアと統合されます。これには、ビジネスインテリジェンス(BI)ソフトウェア、データの取り込みツール、ETLツール、EDWとのシームレスなデータ統合と処理を可能にするその他のAPIが含まれます。
エンタープライズデータウェアハウスは、これらのコンポーネントを組み合わせることで、データ管理および分析のための一元的で統合されたプラットフォームを提供し、組織がデータアセットの潜在能力をフル活用し、データドリブンな意思決定ができるよう支援します。
エンタープライズデータウェアハウスのメリット
エンタープライズデータウェアハウス(EDW)は、組織のすべてのデータの一元化されたリポジトリとして機能し、数多くの価値あるメリットを提供します。EDWは、多様なデータソースを統合することで、データの可用性とアクセシビリティを高め、有意機でコンテキストに即した組織横断的な情報を影響します。重要なデータへのアクセスが高速化されるため、組織はいち早く市場に進出するためのアクションを実行し、投資利益率を高め、会社の加速的成長を促進できます。
エンタープライズデータウェアハウスを必要とする5つのビジネスニーズ
企業内のほぼすべての部門がデータドリブンなインサイトからの恩恵を受けられます。EDWが対処するビジネスニーズを以下にいくつかご紹介します。
1.アクションを実行するためのデータへのリアルタイムアクセス
EDWは、抽出-ロード-変換(ELT)アプローチをかつて一般的であった抽出-変換-ロード(ETL)よりも優先することで、データをリアルタイムで閲覧可能および実行可能にします。ETLでは、データは外部サーバーでクレンジング、変換、または強化されてからデータウェアハウスにロードされます。一方、ELTアプローチでは、未加工データがソースから抽出され、比較的変更されないままデータウェアハウスにロードされます。このため、アクセスと分析がはるかに高速になります。
2.顧客についての総合的な理解
EDWは、企業が顧客の全体像をつかめるようにします。これにより、企業はキャンペーンのパフォーマンスを高め、解約を最小限に抑え、最終的に収益を増やすことができます。EDWは予測分析も促進します。予測分析では、チームがシナリオモデリングとデータドリブンな予測を使用し、ビジネスおよびマーケティングの意思決定に有用な情報を提供します。
3.データコンプライアンスを追跡および確保
EDWは、データ利用者がデータソースを直接監査および検査し、エラーをすばやく見つけられるようにします。最新のEDWはまた、複数のデータロケーションを確認するための複雑なプロセスを実装することなく、EUの一般データ保護規則(GDPR)に準拠できるようにします。
4.技術的知識が限られているユーザーを支援
EDWは、マーケティング、財務、サプライチェーン以外の職務を務めている非技術系従業員に恩恵をもたらします。たとえば、アーキテクトと店舗デザイナーは、既存の拠点に設置されているIoTデバイスからのデータを活用し、小売店舗の最も魅力的な部分または最も魅力的でない部分を把握することで、カスタマーエクスペリエンスを向上させることができます。
5.データを単一の信頼性の高いリポジトリに統合
最新のデータウェアハウステクノロジーでは、企業がさまざまなリージョンとクラウドプロバイダーにまたがってデータを保存できます。ユーザーは、EDWに対し、EDWがグローバルな統合データセットであるかのようにクエリを実行できます。
SNOWFLAKEとEDWS
Snowflakeのプラットフォームは、構造化データからJSONまで広範な異種ソースからデータセットを収集、保存、クエリ、共有できる、完全な伸縮性と高い柔軟性を備えたエンタープライズデータウェアハウスを提供します。Snowflakeデータクラウドは、完全に統合されたデータウェアハウス、データレイク、セキュアデータシェアリングとデータコラボレーション、データアプリケーションの開発、分析データとトランザクションデータの統一、サイバーセキュリティ、データエンジニアリング、データサイエンスワークロードを提供します。Snowflakeマーケットプレイスでは、組織はイノベーションを起こすために必要なデータ、データサービス、アプリケーションを発見、評価、購入できます。Snowflakeは、現代のデータ企業の絶えず変動するデータニーズに対処するため、必要に応じてさまざまな部門、ビジネスユニット、地域、そしてクラウドにまたがって容易にスケールアップ、スケールダウン、スケールアウトできます。