アプリケーション開発に関するSnowdayの発表:Snowparkコンテナサービス、Snowflakeネイティブアプリ、ハイブリッドテーブルなど、豊富な内容
Snowflakeは、開発者によるアプリケーションの構築、提供、配布、運用の方法を変える新しい製品機能を発表します。これらの新機能には、Snowparkコンテナサービスのプログラミング言語とハードウェアの柔軟性、Snowflakeネイティブアプリフレームワークを使用してフルスタックアプリを構築、配布、収益化する機能、ハイブリッドテーブルでトランザクションデータと分析データを集約して活用する機能のほか、データベース変更管理機能、Git統合、Snowflake CLI、イベントテーブルなどのDevOps機能が含まれます。
これらの機能を合わせることで、開発者は統合されたプラットフォーム内でより迅速に開発し、グローバルに製品を配布し、安全に提供し、運用上の負担なくスケーリングできます。
また、Snowflakeは、Powered by Snowflake Funding Programを発表します。これは、Snowflakeネイティブアプリを構築するアーリーステージの次世代スタートアップに対し、最大1億ドルを投資するプログラムです。Powered by Snowflake Funding Programには、大手ベンチャーキャピタルであるAltimeter Capital、Amplify Partners、Anthos Capital、Coatue、ICONIQ Growth、IVP、Madrona、Menlo Ventures、Redpoint Ventures、Snowflake Venturesが参加しています。さらにAmazon Web Services(AWS)は、Powered by Snowflake Funding Programの一環として、Snowflakeネイティブアプリを構築するスタートアップの成長とイノベーションを推進するために、4年にわたって最大100万ドルのSnowflakeクレジットを無償で提供します。
詳しく見ていきましょう。
Snowparkコンテナサービスによるフルスタックアプリケーションの安全な管理と展開
Snowparkコンテナサービス(近日中に一部のAWSリージョンでのパブリックプレビュー開始)を利用すると、開発者はSnowflakeの安全なフルマネージド型インフラストラクチャ内から離れることなく、コンテナ化されたワークロードを簡単に展開、管理、拡張できます 。開発者は、データの移動や複雑なコンテナベースのインフラストラクチャの管理の必要なく、MLトレーニング、ReactJSフロントエンド、大規模言語モデル、APIなど、アプリケーションのあらゆるコンポーネントを実行できます。
これにより、アーキテクチャが合理化するだけでなく、運用上の負担も軽減されます。なぜなら、開発者はコンテナレジストリ、コンテナ管理サービス、コンピュートサービス、可観測性ツール、セキュリティ管理、ネットワーク管理を個別に管理する必要がなくなるからです。Snowparkコンテナサービスは、統合されたイメージレジストリ、伸縮性のあるコンピュートインフラストラクチャ、フルマネージドのRBAC対応Kubernetesベースクラスターと、Snowflakeのネットワークおよびセキュリティ制御を提供します。
Snowparkコンテナサービスはセキュリティに配慮して設計されており、クラスターとコンピュートプールの両方を分離します。Snowflakeは、アカウントごとにプライベートKubernetesクラスターを自動的にスピンアップし、さまざまな技術を使用して個々のお客様のクラスターをネットワークレベルで互いに分離します。各コンピュートプールは他のコンピュートプールから完全に分離されており、トラフィックはモニタリング可能なお客様アカウントのプライベートコントロールプレーンを通過する必要があります。そのため、開発者は同一アカウント内でもさまざまなワークロードを分離できます。
Snowparkコンテナサービスは、安全なingressとegressも提供します。ingressでは、プログラムによるものかブラウザによるものかにかかわらず、Snowflake認証を使用してログインする必要があります。egressでは、トラフィックまたはデータが許可されたドメインまたはIPを、管理者が承認する必要があります。
Snowflakeは、ログ用のイベントテーブル(一般提供)によるすぐに使用できるログ機能と、Snowflake CLIによるテーリングオプション付きのインタラクティブなログを提供しています。開発者は、メトリクスをスクレイピングしてデータを任意のツールにプッシュするOpenTelemetryエージェントを有効化することもできます。
イメージをSnowflakeイメージレジストリにプッシュする際の開発者のエクスペリエンスを合理化するために、SnowflakeはレジストリをDockerやElastic Container Registryなどの一般的なレジストリと統合し、ユーザーが安全かつ簡単にこれらのレジストリから直接イメージをコピーできるようにしました。
エクスポージャー管理企業であるTenableは、Snowparkコンテナサービスを利用して、生成AIを駆使した予防的セキュリティのための新機能を開発しています。この新機能には、サイバーセキュリティチームが自然言語を使用してデータをクエリすることでより迅速な発見、分析、アクションが可能になり、進化し続けるアタックサーフェス全体でリスクを軽減できる機能が含まれます。Snowparkコンテナサービスを利用することで、Tenableは顧客データをSnowflakeの外部に移動する必要がなくなり、Snowflakeのセキュリティとガバナンスの境界内で言語モデルを実行できます。
BUILDに参加して、TenableによるSnowparkコンテナサービスの活用方法とデモをご覧ください。
Snowflakeネイティブアプリによる、企業アプリの構築、配布、収益化の再定義
Snowflakeネイティブアプリフレームワーク(近日中にAWSでの一般提供開始、近日中にAzureでのパブリックプレビュー開始)により、開発者はアプリをパッケージ化し、Snowflakeマーケットプレイスで配布、収益化し、コンシューマーのSnowflakeアカウント内で実行できるようになります。アプリケーションは、マーケットプレイスで承認される前に、脅威を検出するためのセキュリティスキャンが実行されます。現在、Snowflakeマーケットプレイスで利用可能なSnowflakeネイティブアプリのユースケースは、コネクタ、クリーンルーム、ERPインサイトなど、さまざまです。
Snowflakeネイティブコネクタをより簡単に構築するために、Snowflakeはコネクタ用SnowflakeネイティブSDKのプライベートプレビューを発表しました。これにより、コアライブラリサポート、テンプレート、ドキュメントが提供されます。プライベートプレビューへの参加をご希望の場合は、こちらからお申し込みください。
Snowflakeネイティブアプリの一部としてSnowparkコンテナサービスを利用する(この統合はプライベートプレビュー中)と、開発者は既存のコンテナ化されたワークロードを取り込んで開発サイクルを短縮したり、アプリコードを任意の言語で記述してコンテナとしてパッケージ化したりできます。
これらのアプリはSnowflakeネイティブアプリであるため、セキュリティスキャンが行われ、コンシューマーのSnowflakeアカウント内で完全に実行されます。ログやメトリクスなど、どんなデータにアプリがアクセスできるかはコンシューマーが制御します。このようにプロバイダーのコードとコンシューマーのデータの両方を保護する独自の機能により、プロバイダーはアプリを安全に提供でき、コンシューマーはアプリを安全に使用できます。
以下に、Snowparkコンテナサービスを利用するSnowflakeネイティブアプリの例を挙げます。
- Carto:Cartoは地理空間プラットフォームで、完全にSnowflake内で展開し、データを移動させることなく乗り物の経路決定などの問題に対処できます。デモをご覧ください。
- Hex:コラボレーションアナリティクスとデータサイエンスのためのプラットフォームであるHexは、まもなく完全にエンドユーザーのアカウント内で展開できるようになります。デモを視聴して、ウェイティングリストにご登録ください。
- H2O.ai:H2O.aiにより、データサイエンスチームはモデルのトレーニング、展開、スコアリングをすべてSnowflakeアカウント内で行うことができます。デモをご覧ください。
- Reka:Rekaは、推論とファインチューニングの両方のためのマルチモーダルな専有LLMの開発を可能にします。
- RelationalAI:RelationalAIは、リレーショナルナレッジグラフシステム上に構築されたAIコプロセッサです。Snowflakeに展開することで、Snowflakeデータ上のグラフアナリティクス機能を活用できるようになります。デモをご覧ください。
- Lamini:Laminiは、プライベートLLMの構築とファインチューニングのためのエンタープライズプラットフォームです。Snowflake内に展開できます。これにより、データ漏洩を発生させることなく、顧客やユーザーごとにLLMをパーソナライズできます。デモを視聴して、ウェイティングリストにご登録ください。
Snowflakeネイティブアプリの構築を開始するには、ドキュメントを探索してクイックスタートを試すか、Snowflakeネイティブアプリのブートキャンプにご参加ください。
ハイブリッドテーブルで分析データとトランザクションデータを集約して活用
Snowflakeは、ハイブリッドテーブル(プライベートプレビュー中)を通じて、何百ものお客様のアプリケーション開発を簡素化しています。ハイブリッドテーブルは、1秒未満の単一行操作を可能にする新しいテーブルタイプです。これにより、Snowflakeのお客様は、Snowflake上でトランザクションワークロードをサポートしながら、複数のデータベースにまたがって操作や同期を行う必要性を減らすことでアプリケーション開発を促進できます。
開発者はSnowflakeで、使い慣れた構文でハイブリッドテーブルをクエリできます。ハイブリッドテーブルは主キーと参照整合性制約を強制し、ルックアップを高速化するためのセカンダリインデックスを提供します。また、マスキングや行ベースのアクセスポリシーなどのSnowflakeのガバナンス機能をすぐに利用できます。
現在のパフォーマンスは2桁のミリ秒のレイテンシーと数千のクエリ/秒(QPS)のスループットを達成しており、Siemens AG、IQVIA、William Hillなどのお客様がハイブリッドテーブルを使用してアプリケーションステートを保存し、データを提供しています。rたとえば、William Hillではハイブリッドテーブルを活用して、1日あたり何百万ものクエリが発生するデータを、メインのウェブアプリケーションとモバイルアプリケーションのコアログインフローにすべて埋め込んで低レイテンシーで処理できるようになりました。これにより、同社のRemote Customer Interaction Platformのパフォーマンスが5倍上昇しました。Siemens AGは、ハイブリッドテーブルを使用してERPデータの取り込みワークフローのステートを保存しています。ハイブリッドテーブルの行ロックは、何千人ものワーカーが、ボトルネックなしに一元化されたステートテーブルを更新するために必要な同時実行性に対処します。
これは始まりにすぎません。私たちは、Snowflake内から離れることなくより多くのユースケースをサポートするために、レイテンシーとスループットの高速化を続けています。ご期待ください。
新しいデータベース変更管理機能、Git統合、Snowflake CLI、テレメトリ用イベントテーブルによりDevOpsを自動化
Snowflakeは、アプリケーションのライフサイクル全体にわたって主要なDevOpsプロセスを自動化する機能をローンチしました。これらの機能には、以下が含まれます。
- データベース変更管理機能:開発者は、Snowflakeオブジェクトをさまざまな環境にまたがって自動的にプロビジョニングし更新することにより、オブジェクトを宣言的に管理できます。この機能は、DevOpsで一般的な「Configuration as Code」パターンを使用して、開発、テスト、ステージング、実稼働の各環境にわたって一貫した方法でオブジェクトを作成するための、シングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)として働きます。テーブルを宣言的に作成または変更する機能、SQLスクリプトをファイル(Gitレポジトリなど)、VSコード、Snowflakeネイティブアプリ(近日中に一般提供開始)から直接実行する機能、これらのスクリプトをテンプレート化する機能(プライベートプレビュー中)が含まれます。
- SnowflakeとのGitの統合(プライベートプレビュー中):開発者は、Gitレポジトリに存在するアーティファクトを簡単に表示、実行、編集、コラボレーションして、シングル・ソース・オブ・トゥルース(信頼できる唯一の情報源)を維持できるようになります。
- Snowflakeコマンドラインインターフェイス(近日中にパブリックプレビュー開始):オープンソースのCLIを開発者のCI/CDパイプラインに統合すると、データ管理を合理化し、Snowflake関連の変更を自動化できます。これにより、Snowflakeインフラストラクチャをコードとして定義し、展開を自動化し、テストと検証を実行し、他のCI/CDツールと統合できます。
- Event Table (Generally Available): Event Table allows developers to analyze log telemetry in Snowflake for faster troubleshooting and debugging.
構築の準備はできましたか?Powered by Snowflakeはアプリケーションの構築、市場投入、運用を支援するプログラムです。ぜひご参加ください。
将来の見通しに関する記述について
このプレスリリースには、明示または黙示を問わず、(i)Snowflakeの事業戦略、(ii)開発中または一般に提供されていないSnowflakeの製品、サービス、テクノロジー、(iii)市場の拡大、トレンド、競争状況に関する考察、(iv)Snowflake製品とサードパーティプラットフォームの統合およびサードパーティプラットフォーム上でのSnowflake製品の相互運用性と可用性についての言及など、将来の見通しに関する記述が含まれています。/strong>これらの将来の見通しに関する記述は、さまざまなリスク、不確実性、前提に左右されます。これには、証券取引委員会への提出書類に記載されたリスクが含まれますが、これらに限定されません。これらのリスク、不確実性、前提を考慮すると、将来の見通しに関する記述において予想または暗示されている結果と比較して、実際には大きく異なる結果や反対の結果に至る可能性があります。これらの記述は、最初に記述された日付のみを対象としています。法律で義務付けられている場合を除き、Snowflakeには、このプレスリリースの記述を更新する義務または意図は、一切ありません。そのため、将来の見通しに関するいかなる記述も、未来の出来事についての予測として利用してはなりません。
このプレスリリースの将来の製品情報は、一般的な製品の方向性を概説することを目的としています。最終的に利用可能になる製品、特性、または機能性の実際のタイミングは、このプレスリリースに提示のタイミングとは異なる場合があります。