Snowflakeネイティブアプリケーションフレームワークの紹介
注:本記事は(2022年6月14日)に公開された(Introducing the Snowflake Native Application Framework)を翻訳して公開したものです。
本日、データクラウドで最も簡単にアプリケーションを構築、配布、使用できる方法、Snowflakeネイティブアプリケーションフレームワーク(現在プライベートプレビュー中)を発表いたします。ネイティブアプリケーションフレームワークでは、アプリケーションプロバイダーは使い慣れたSnowflakeのコア機能を使用してアプリケーションを構築し、Snowflakeマーケットプレイスでそれを配布、収益化し、顧客のSnowflakeアカウント内に直接デプロイできるようになります。アプリケーションプロバイダーは世界中の数千ものSnowflakeのお客様とすぐに接することができ、顧客はデータを一元管理し、アプリケーションの購入プロセスを大幅に簡素化できます。
顧客のデータにアプリケーションを持ち込む
アプリケーションの構築と導入方法は、大きな転換期の真っただ中にあります。そしてそれを先導しているのはSnowflakeです。より簡単に企業がデータを一元管理できるようにすることで、アプリケーションの開発と導入の新しいモデルが生まれ、1つのセントラルコピー上に複数のアプリを作成できるようになります。Kleiner Perkinsのパートナー、Bucky Mooreが述べているように、「論理的に考えて次のステップは、この基盤を使用してウェアハウスに読み取りと書き込みの両方を行える全機能を備えたアプリケーションを構築すること」です。Andreessen HorowitzのMartin Casado氏は、Future Data 2021カンファレンスで、「すべてのアプリは、データ層の上に再実装されるだけの仕組みになります」と語っています。
昨年、Snowflakeは「コネクテッドアプリケーション」のデプロイメントモデルを導入しました。これは、複数のアプリケーションが顧客のデータプラットフォーム内の同じデータに接続できるというモデルです。既に、Securonix、AuditBoard、Hunters、Supergrain、MessageGearsといった、Powered by Snowflakeパートナーが、自社アプリにコネクテッドアプリモデルを採り入れています。
ネイティブアプリケーションフレームワークによって、アプリケーションコードを顧客のデータに置くことで、コネクテッドアプリケーションが次のレベルへと進化します(以下の図1を参照)。
ネイティブアプリケーションフレームワークでは、アプリケーションをデータクラウド内で簡単に構築、販売、デプロイできます。UDFやストアドプロシージャ、さらにはStreamlit統合(現在開発中)などのSnowflakeコア機能を使用してアプリケーションを構築でき、その後Snowflakeマーケットプレイス経由でデータクラウド全体のお客様に販売できます。フレームワークにはテレメトリツールも備わっているため、アプリケーションの監視とサポートも容易になります。中でも注目すべきは、ネイティブアプリは、顧客のアカウントにデプロイされ、プロバイダーの知的財産は守りながら、データの制御は顧客が行えるという点です。
ネイティブアプリケーションのデプロイメントモデルは、コネクテッドアプリとマネージドアプリのデプロイメントモデルの両方を補完し、アプリケーション開発時に新たな柔軟性を与えます。これらのモデルは相互排他的ではありません。それぞれのユースケースに応じて複数のモデルにわたるアプリケーションを実装するデベロッパーは多くいると思います。
プロバイダーのメリット:データクラウドでの構築、配布、デプロイ
ネイティブアプリケーションフレームワークは、構築から配布、デプロイに至るまで、アプリケーションのライフサイクル全体にわたってデベロッパーに大きなメリットをもたらします。アプリケーションはSnowflakeインフラストラクチャ上に構築されているため、アプリケーションプロバイダーは、常時オンの可用性、グローバルコラボレーション、プラットフォーム内の収益化、ネイティブガバナンスとセキュリティなど、組み込みのSnowflake機能を活用できます。これらの機能により、デベロッパーはインフラストラクチャの構築と管理に時間を費やすのではなく、パワフルなアプリケーションの構築にエネルギーを集中させることができます。さらに、アプリケーションはSnowflakeデータクラウドでサポートされているすべてのクラウドとリージョンでシームレスに実行されるため、アプリを作成した後は、事実上どこでも実行できます。
ネイティブアプリケーションフレームワークを使用して構築するアプリケーションプロバイダーには、販売と配布においても多大なメリットを得られます。アプリをSnowflakeマーケットプレイスで公開することでSnowflakeマーケットプレイスパートナープログラムの一員となり、世界中の数千のSnowflakeのお客様から簡単に発見、インストール、購入されるようになります。
最後に、ネイティブアプリケーションフレームワークでアプリケーションを構築すると、デプロイ期間を短縮し、マージンを増やすことができます。顧客がデータを移動したり共有したりする必要がないため、特に顧客がベンダーのリスクやデータの漏えいの問題を懸念している場合に、セールスとデプロイメントのサイクルを短縮できます。また、顧客は機密データを共有することなくプロバイダーにアプリケーションへのデータアクセスを直接付与できるため、プロバイダーは機密データを管理する必要がなく、オペレーションの簡素化にもつながります。さらに、アプリケーションは顧客のアカウントのコンピューティングを使用するため、アプリケーションプロバイダーはコンピューティングコストを下げることでマージンを増やすことができます。
顧客のメリット:より高速で安全なデータ活用が可能に
ネイティブアプリケーションは、顧客にとっても画期的なものです。データの制御は顧客が維持したまま、データからより多くの価値を得られるようになります。データを移動したり、アプリプロバイダーに公開する必要がないため、データサイロを減らし、データガバナンスを向上できます。ロールベースのアクセスコントロール(RBAC)を使用して、外部アクセスやログ共有などのきめ細かいアクセス許可をアプリケーションに直接付与することで、顧客のアカウント内でアプリケーションに許可する内容を制御できます。
Snowflakeマーケットプレイスでは、アプリケーションの調達サイクルが数か月から数クリックへと劇的に簡素化され、短縮されます。Snowflakeマーケットプレイスで、すぐに使えるアプリケーションを見つけることで、顧客は独自にアプリケーションを構築する場合よりも早くデータを活用し始め、より多くの価値を得られるようになります。
ネイティブアプリケーションの実例
Goldman Sachs、LiveRamp、Capital One、Habuなど、プライベートプレビューに参加した数多くの顧客とパートナー(図2を参照)が、ネイティブアプリケーションフレームワークを使用してアプリケーションを開発しています。現在開発中またはプライベートプレビュー中の数のこれらのアプリは、以下のようなさまざまなユースケースを網羅しています。
- グローバルデータクリーンルーム
- IDの解決
- クラウドプラットフォームのコスト分析
- 財務取引分析
例えば、Goldman Sachsは、ESG(環境・社会・ガバナンス)インサイトを使用して顧客の保有資産データを安全に強化し、より的確な投資判断を行えるよう支援するアプリケーションを構築しました。ネイティブアプリケーションフレームワークを使用することで、同社は安全でスムーズな顧客体験を実現しました。エンドカスタマーはデータエンジニアリングやアクセスの共有なしでポートフォリオを強化できます。
別のパートナー、LiveRampは、デバイスやタッチポイント間で異なる識別子を解決してパートナーとのコラボレーションを改善する必要のあるTVパブリッシャー、ブランド、測定プラットフォーム向けにトランスコーディングおよびデバイス解像度インサイトアプリケーションを構築しました。
Snowflakeも、ネイティブアプリケーションフレームワークを採用しています。Snowflakeのチームでは、Snowflake Google Analytics ConnectorとServiceNow Connector(共にプライベートプレビュー中)の開発にこのフレームワークを使用しました。
皆さんも構築してみませんか?
ネイティブアプリケーションフレームワークを使用してどんなアプリケーションやユースケースが登場するか、とても楽しみにしています。フレームワークの構築を開始するには、今すぐ登録してプレビューに関する最新情報を入手してください。
見通しに関する記述
見通しに関する記述も、将来本記事には、明示または黙示を問わず、(i)Snowflakeの事業戦略、(ii)開発中や一般公開されていないものも含めたSnowflakeが提供する製品、サービス、テクノロジー、(iii)市場の成長、トレンド、競争に関する考慮事項、(iv)サードパーティプラットフォームと連携したまた同プラットフォーム上でのSnowflake製品の統合、相互運用性、および可用性、についての言及など、将来の見通しに関する記述が含まれています。これらの将来の見通しに関する記述は、さまざまなリスク、不確実性、前提に左右されます。これには、Snowflakeが証券取引委員会に提出するForm 10-Q(四半期レポート)およびForm 10-K(年次報告書)内の「リスク要因」などのセグメントに記載されているリスク、不確実性、前提が含まれます。これらのリスク、不確実性、前提を考慮すると、将来の見通しに関する記述において予想または暗示されている結果と比較して、実際には大きく異なる結果や反対の結果に至る可能性があります。そのため、将来の見通しに関するいかなる記述も、未来の出来事についての予測として利用するべきではありません。
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